当院の診療方針

細部にこだわった治療診療方針
歯科治療は細かい作業が多く、ときには物理的に見えない部分の治療も行わなければなりません。もし見落としがあると、再治療の可能性が高まることはもちろん、トータルライフで見た歯の寿命も短くなります。当院では再治療の可能性をできるだけ少なくするべく、細部にこだわった治療に取り組んでおります。

例えば歯の神経の治療において、神経の枝分かれは複雑で、しかも肉眼で確認するには限界があります。ドクターの経験と勘に多くを頼ることになるため、かつては比較的再治療の多い分野であったかと思われます。当院では歯の根の治療をはじめ、細部の確認を要する治療には積極的にマイクロスコープを使用しております。

●マイクロスコープとは
マイクロスコープは、歯科治療で使用する歯科顕微鏡です。マイクロスコープで患部を見ると、肉眼の3~20倍まで拡大が可能で、目では確認できないミクロン単位の小さなものもはっきりと捉えることができます。根の治療や詰め物、被せ物の治療などに威力を発揮し、精密で緻密な処置ができるので治療の精度が高まり、再治療の少ない長持ちする治療が可能になります。

リスクの少ない治療
当院の診療方針は、患者さんへの負担が少ない治療です。安心して治療を受けていただけるように、3つの「ない・ない・ない」治療に取り組んでおります。それが「なるべく痛みの少ない治療」「なるべく削らない治療」「なるべく抜かない治療」です。

●なるべく痛みの少ない治療診療方針
麻酔時の痛みは、針を刺した時の痛みと薬を注入する時の痛みです。ブスッと刺してビュッと入れる痛い麻酔は過去のものです。当院では表面麻酔を用いた麻酔薬の浸潤はもとより、33ゲージからという極細の針を用いているので、粘膜下のごく浅い位置への刺入時の痛みは全ど感じません。また刺入後も、浸透圧を用いた知覚に至らないレベルのゆっくりとした麻酔薬の拡散を心掛けておりますので、痛みを感じる人はほとんどいません。もし診療中に少しでも痛みが残っているようなら、完全に効くまで十分に待つか、追加の麻酔は欠かしません。

個人差にもよりますが、お酒の酔い方と似て、麻酔にも効きにくい日がどうやらあるようです。そういうときは無理をせずに、日を改めた治療など、患者さんへのストレスを極力軽減することに努めております。

●なるべく削らない治療診療方針
麻酔をして痛く感じないからといっても、削ること自体が歯にとってはダメージになっています。当院では『ミニマルインターベンション(Minimal Intervention)』歯の治療において、歯質や歯髄への犠牲を最小限に抑え、本当に悪くなったところだけを除去して修復する治療法を実践しています。

これまでの歯科治療では、ブリッジなどの前後の歯をつなぐ治療においては、大きく歯を削ることが当たり前でした。しかしながら、ただ削ることが歯にとってのダメージである事はもちろん、患者さんオリジナルの咬み合わせの高さを変えてしまうという害もあるはずです。そこで当院では、1本だけ歯を失うようなケースにおいては、隣接する歯になるべくダメージの少ない、インプラント治療やトランスプラント(移植による治療)を出来る限りお勧めしております。それでも選択肢がブリッジになるようなケースでは、両隣の歯をなるべく削らない、接着ブリッジで対応することも可能です。

●なるべく抜かない治療診療方針
当院では出来る限り歯を抜かない治療を心掛けています。多くの患者さんは「なるべく歯を抜かないで欲しい」「生まれ持ったものを失いたくない」という思いを当然持たれている事だと思います。現代の歯科治療では、接着技術や生体材料が発達したため、従来では残せなかった歯も延命させることが出来るようになりました。当院ではそれら材料を駆使して、患者さんの思いを大切にする治療を目指しています。

それでも当院が抜歯を勧めなければならないケースとは、「一本の歯の問題が周りの歯を巻き込むケース」、「将来その先に可能なはずのインプラント治療に必要な土台となる骨を吸収させてしまうようなケース」です。いずれにせよ「勝手に抜いてしまう」なんてことは決してありません。その昔は人生50年ですが、今は人生80年の時代です。生まれ持った歯を出来るだけ延命できるよう、患者さんと一丸になって鋭意努力したいと思っております。

●徹底した歯周病治療診療方針
当院では、すべての治療のベースは歯周病治療にあると考え、徹底した歯周病治療とメインテナンスを行っております。治療の初期に、ほぼ全ての患者さんにブラッシング指導と歯周病検査を行い、一連の歯周病治療で歯ぐきの状態を改善します。

歯周病は日本人が歯を失う原因の第一位です。誰しも加齢により免疫力は低下するもので、その低下とともに歯周病の症状は悪化する傾向にあります。しかし、定期検診をきちんと受けて、ご自身の歯ぐきの状態の把握、およびブラッシング技術の確認、そして歯科的なメインテナンスを行っていれば、歯の寿命を引き延ばせます。当院では定期検診を強化しています。最低でも半年~1年に一度のメインテナンスをお勧めしております。

●今ある歯を残すための矯正治療診療方針
当院では、クラウンやブリッジなどの被せ物を長持ちさせるためにも部分的な矯正治療を積極的に取り入れています。矯正治療で歯を正しい位置に動かしてから被せ物を入れることにより、咬みしめたときに適切な方向(歯の縦軸の方向)に力を掛けられるようになります。歯への過剰な負担となるような無理な力を減らせることから、結果的に被せ物も長持ちさせられます。また、見た目が美しいということは機能的であるということにも繋がります。歯が適正な位置にあるということは、見た目も美しくなり、歯ブラシも行き届いて、お口の中を清潔に保ちやすくなります。

また斜めに生えていたり、骨の中に埋もれている親知らずなどは、抜歯時に神経や動脈を傷つける恐れがあるためとても注意が必要ですが、矯正装置を用いて安全に抜歯をすることが出来るケースもあります。歯自体を傷つけずに抜ける親知らずは、移植治療のドナーの歯として非常に有用なケースも少なくありません。矯正治療と聞くと大掛かりなことを想像しがちですが、当院ではよりよい治療結果を求めて、日常の治療の中にも矯正治療を積極的に取り入れています。

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カウンセリングをおこなっております

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